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熱中症における腎障害と尿中L-FABPに関する最新知見

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No.78/2026年6月配信号

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※このメールマガジンは、過去にシミックホールディングス株式会社L-FABP事業部と名刺交換をさせていただいた皆様、サイトにアクセスし資料請求いただいた皆様へお届けしております。


近年、熱中症は単なる脱水ではなく、腎臓や肝臓を含む多臓器障害を伴う全身性疾患として認識されつつあります。

腎臓においては、脱水だけでなく、微小循環障害やエネルギー代謝異常など複数の要因が関与し、臓器障害が進行すると考えられています。

こうした背景のもと、日本救急医会誌に新たな知見が報告されました。(文献 1)

初期の労作性熱中症1,169例を対象とした解析では、そのうち54.8%の症例で尿中L-FABPの上昇が認められたとされています。

一方で、血清クレアチニンの上昇は対象症例のうち28.2%にのみ認められています。

尿中L-FABP上昇と関連する検査項目

同研究では、尿中L-FABP上昇と関連する検査項目の検証により、以下の結果が示されています。

  • 尿中L-FABP高値群ほど白血球数や血糖値が有意に高値
  • 尿中L-FABP高値群でDダイマー高値症例の割合が有意に高い

上記結果より、尿中L-FABPの上昇が、炎症反応や凝固異常を伴う全身状態と関連する可能性が示唆されています。また、熱中症における腎臓障害が自覚症状などの主観的なポイントとは必ずしも一致しない可能性も示されています。

軽症〜中等症でも腎障害が認められる可能性 (文献 2)

労作性熱中症患者を対象とした前向き観察研究では、対象者全体の約20%で腎機能異常が確認され、さらに入院を要さない中等症の熱中症患者においても約12%に腎障害が認められたと報告されています。

従来の臨床的な指標から重症と判断されない症例の中にも、腎障害症例が含まれている可能性が示されています。これらの腎障害は一過性の場合であっても、長期的にはCKDへ進展する可能性が指摘されており、早期にリスクを把握する意義が議論されています。

重症度・転帰との関連 (文献 3)

日本における熱中症患者を対象とした多施設研究(J-HEAT研究)では、来院時の尿中L-FABPが重症度(SOFAスコア)と相関し、転帰との関連を示す可能性が報告されています。

初期の尿中L-FABPは、バイタルサインなどの臨床指標と比較して一定の予後予測性能を示しており、重症度に関与する客観的な評価指標としての有用性が示唆されています。

早期評価における補助的指標として (文献 4)

尿中L-FABPは、熱中症の重症度に応じて上昇し、軽症から重症を含む患者全体の血清クレアチニンと相関することが報告されており、腎障害を反映するバイオマーカーの一つとして位置付けられています。

従来の腎機能指標であるクレアチニンは変化に時間差が生じることがあると指摘されています。より早期の変化を反映する可能性が示唆されている尿中L-FABPは、腎障害の早期評価における補助的指標としての意義が検討されています。

さらに、現場において尿中L-FABPの評価が可能なポイントオブケア(POC)検査に関する研究では、臓器障害の検出において高い陰性的中率(95.7%)が報告されており、重症度や予後との関連を示唆する結果が得られています。

論文の詳細はこちら

文献1:初期熱中症1,000例以上の解析
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文献2:軽症〜中等症における腎障害の検討
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文献3:重症熱中症(J-HEAT研究)
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文献4:スクリーニングツールとしての有用性
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L-FABP情報サイトでは、熱中症に関する最新の研究や関連論文をまとめております。ぜひあわせてご覧ください。

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