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[JP-14-1] CKD・糖尿病性腎症の疾病管理~バイオマーカーL-FABPの可能性~
演者聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 教授 木村 健二郎 先生
透析患者数の増大が続き、その抑制が医療のみならず社会的にも喫緊の課題となっている。また医学的には透析導入に至る前に頻発する心血管疾患に対して、新たな治療戦略の確立が急務となっている。こうしたなか本モーニングセミナーでは、透析導入原因としても心血管疾患の基礎疾患としても最重視される糖尿病性腎症について、日本腎臓学会『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2013』を作成委員会委員長としてまとめた委員聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科教授の木村健二郎氏に、その管理治療の最新情報と、新規バイオマーカー「尿中L-FABP」の可能性を講演いただいた。
[JP-14-2] 腎障害バイオマーカーL-FABPとAKI
演者東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科/血液浄化療法部 准教授 野入 英世 先生
腎機能評価のデファクトスタンダードとして、血清クレアチニンが古くから用いられてきている。しかしGFRの低下と血清クレアチニン上昇にはタイムラグがあり、急性腎障害(AKI)ではこれが大きな問題となる。
一方、2011年に保険収載された新規バイオマーカー「尿中L-FABP」は、AKIの早期診断やリスク評価のみならず、患者の予後予測にも有用との知見が蓄積されてきている。本セミナーでは、人口の高齢化に伴い増加が著しいAKIの管理における尿中L-FABPの可能性を、東京大学医学部附属病院腎臓・内分泌内科/血液浄化療法部准教授の野入英世氏に講演いただいた。
[JP-14-3] 糖尿病性腎症の病態と治療~バイオマーカー・尿中L-FABPの可能性~
演者岡山大学病院新医療研究開発センター 教授/糖尿病センター副センター長 四方 賢一 先生
糖尿病性腎症は末期腎不全のリスクであるだけでなく、心血管疾患のハイリスク状態である。末期腎不全や心血管疾患の抑止には、より早期に介入することが求められ、それにより進行抑制にとどまらず、治癒(寛解)を達成することも不可能ではない。
糖尿病性腎症のマーカーとして従来より、糸球体硬化を反映する尿中アルブミン測定が用いられている。しかし糖尿病性腎症では尿細管障害も伴うことから、それを捉えることでより早期の介入が可能となる。 本講演では、尿細管障害のバイオマーカーである尿中L-FABPを測定する意義と可能性を、四方賢一氏に講演いただいた。
[JP-14-4] 慢性腎臓病における心血管障害~L-FABPの可能性~
演者医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院副院長/腎臓病総合医療センター長 小林 修三 先生
慢性腎臓病(CKD)が心血管障害のリスクファクターであることが明らかになり、循環器領域においてもCKDを念頭に入れた診療が望まれるようになった。また、脳や心臓に生じる臓器障害あるいは下肢を中心とする末梢動脈疾患は、それぞれ個別に治療するのではなく、全身性の血管病‘polyvascular disease’として診る姿勢が求められる。このような病態の基盤には血管石灰化、微小循環障害があり、さらにその上流にインスリン抵抗性や内皮機能障害が存在しており、CKDではそれらすべてがモザイク状に関連し血管障害を進展させていく。
血管障害の進展を抑止するポイントは言うまでもなく早期診断・早期介入であり、それを可能とするためのバイオマーカーの開発が進められてきた。本セミナーでは、腎臓内科の立場からpolyvascular diseaseに関する貴重な知見を報告されてきた小林修三氏に、心血管障害とCKDの連関、そして早期診断バイオマーカー「尿中L-FABP」の有用性を講演いただいた。
[JP-14-5] 集中治療における急性腎障害バイオマーカー~L-FABPの可能性~
演者札幌医科大学 集中治療医学 教授 升田 好樹 先生
高齢化とともにICUに入室する患者像が変化し、多臓器不全、中でも腎不全を伴うことが極めて多くなっている。腎機能低下そのものに対しては腎代替療法という処置があるものの、腎代替療法を必要とするICU患者の生命予後が不良であることは否定できない。その原因として、従来の血清クレアチニンや尿量を指標とした治療では、その介入が後手後手に回らざるを得ないためではないかと考えられている。これに対し、腎機能の低下に先立って生じているであろう腎障害、より具体的には腎尿細管障害を把握可能な新規腎バイオマーカーが近年登場してきた。それらバイオマーカーを用いて的確な時期に治療介入することが予後改善につながると期待される。
そこで本セミナーでは、札幌医科大学集中治療医学教授の升田好樹氏に、ICUにおけるバイオマーカーの意義と使い方を講演いただいた。
[JP-14-6] 急性心腎症候群の管理~虚血ストレスマーカーL-FABPの可能性~
演者日本医科大学武蔵小杉病院 循環器内科教授/集中治療室室長 佐藤 直樹 先生
急性心不全患者は腎機能低下を伴う場合が多く、救急医療においては「急性心腎症候群」として捉えて介入しなければ良好な予後を期待しがたい。しかし、たとえ腎機能低下に留意していてもその診断が遅ければ、やはり予後への影響が避けられない。
従来、腎機能が低下した結果として生じる血清クレアチニンの上昇や尿量低下を指標に急性腎不全を診断しているが、尿細管機能マーカーを用いることで、より早期の診断が可能になりつつある。2016年に策定された『AKI診療ガイドライン』においても新規バイオマーカーの有用性が取り上げられている。
本セミナーでは、急性心腎症候群アウトカム改善のために求められる的確な腎機能評価に向け、それらバイオマーカーの可能性を、日本医科大学武蔵小杉病院循環器内科教授/集中治療室室長の佐藤直樹氏に講演いただいた。
[JP-14-7] 敗血症性AKIにおける急性腎障害マーカー L-FABPの可能性
演者医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院 麻酔科・集中治療部 (現在:自治医科大学附属さいたま医療センター 集中治療部) 小室 哲也 先生
敗血症は急性腎障害(AKI)を併発することが多く、AKIを発症すると予後はさらに深刻となる。予後改善に向けより早期からの介入が必要だか、AKI診断のクライテリアである血清クレアチニン上昇や尿量低下は腎障害の結果として生ずる変化であるため、それだけでは介入の遅れを免れない。これに対し、新たなバイオマーカーが早期診断の一助となる可能性が示されつつある。その最前線の研究から見えてきた敗血症性AKIの新たなパラダイムを、湘南鎌倉総合病院集中治療部医長の小室哲也先生に講演いただいた。
[JP-14-8] 心血管腎臓病に克つために
演者横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧 内科学 主任教授 田村 功一 先生
「心腎連関」というフレーズが医学用語として定着して久しい。心血管疾患と腎疾患は病態機序レベルで深いつながりがあり、研究と臨床そして教育を一体的に進める必要がある。また治療に際しては、腎疾患をできるだけ早期に把握して介入していくことが心疾患の発症・進展抑制のためにも求められる。本講演では「心血管腎臓病」研究の最新トピックスと、その早期介入を可能にするための新規バイオマーカーについて、横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学主任教授の田村功一氏に総括いただいた。
[JP-14-9] 集中治療領域における急性腎障害マーカー L-FABPの有用性と課題
演者新松戸中央総合病院 腎臓内科 部長 血液浄化センター長 佐藤 英一 先生
集中治療領域では急性腎障害(acute kidney injury :AKI)が高頻度に発症し、AKIが予後不良の大きな一因となっている。AKIの早期診断が強く求められる中、尿細管機能障害をより早期かつ高い特異性で予測し得るマーカーとして尿中L-FABPの有用性が注目されている。本講演では、豊富な臨床経験に基づく多数のデータ・症例をご紹介いただきながら、集中治療領域における急性腎障害マーカーL-FABPの有用性について、新松戸中央総合病院腎臓内科・血液浄化センターの佐藤英一先生に解説していただいた。
[JP-14-10] 循環器領域におけるバイオマーカーとしての尿中L-FABPの有用性と可能性
演者独立行政法人 地域医療機能推進機構 東京高輪病院 院長 木村 健二郎 先生
近年、慢性腎臓病(CKD)と心血管疾患が密接に関係していることが明らかになり、循環器領域においてもCKDの早期発見・治療の重要性が指摘されている。2011年に保険収載されたバイオマーカー「尿中L-FABP」は、急性腎障害(AKI)の発症やCKDの進展予測、さらには腎障害の進展と関係して心血管疾患の発症・予後予測のバイオマーカーとしても有用であることが明らかになってきた。本セミナーでは、循環器領域におけるバイオマーカーとしての尿中L-FABPの有用性と可能性について、独立行政法人地域医療機能推進機構東京高輪病院院長の木村健二郎先生に講演いただいた。
[JP-14-11] 救急・集中治療領域におけるバイオマーカーの有用性と今後の展望
迅速な判断と病態把握が求められる救急・集中治療領域において、生理的・病理的異常を動的に反映するバイオマーカーに対する期待は大きい。理想的なバイオマーカーに求められるのは、感度・特異度・低侵襲性・治療反応性、そしてアクセシビリティに優れていることである。2011年に保険収載されたバイオマーカー「尿中L-FABP」は、腎機能障害の早期診断や虚血再灌流障害の病態把握に有用とされ、患者尿で測定できることからアクセシビリティも高い。本セミナーでは救急・集中治療領域におけるバイオマーカー、特に尿中L-FABPの有用性および展望について、近年問題となっている熱中症を中心に、日本医科大学大学院 医学研究科 救急医学分野 教授の横堀將司先生に講演いただいた。
[JP-14-12]内科系心臓集中治療室における急性腎障害:尿中L-FABP濃度測定の臨床的意義
演者藤田医科大学ばんたね病院 臨床検査科教授 石井 潤一 先生
バイオマーカーを指標としたSubclinical AKI の概念が広まるなか、血清クレアチニン上昇や尿量減少をもとにした従来の急性腎障害の診断基準が変わりつつある。2011 年に保険収載されたバイオマーカー「尿中L-FABP」は、腎臓の近位尿細管障害を反映し、Subclinical AKIの診断マーカーとしても期待される。 本セミナーでは内科系心臓集中治療室における急性腎障害と尿中L-FABPの有用性について、藤田医科大学ばんたね病院 臨床検査科教授の石井 潤一先生に講演いただいた。
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